初体験図と個人主義

2012年08月17日

PCR機は自作できるらしい

今月一杯、学生さんを教えている。来年大学入試を控えた、A-levelの男の子。奨学金をもらって来ているので、それなりに頭はいいのだろうとは思っていたが、予想以上に頭がいい。質問もするどい。今まで見て来た大学生よりよっぽどできるのだ。

先日その日の実験がほぼ終わり雑談していたら、彼がぽろっと一言。
”家でPCRマシーン作っているんだ ”
よくよく話を聞くと、彼は母親の赤毛(ジンジャーと言う) の遺伝子の変異を同定したい、というのだ。赤毛は劣勢で茶色の遺伝子の変異によって起こるそうな。で、彼自身は栗毛色、母親と弟がジンジャーらしい。作りかけのPCRマシーンの写真を見てもらったが、外側はいかにもお手製だが、しっかり今時のPCRマシーンだった。材料はすべてeBay。電気系統や外側の加工など、父親のワークショップ(お父さんは鳥の巣箱+カメラの販売 http://www.naturecameras.co.uk/)でやるらしい。ただし、チューブを挿入する穴は、そういう機器をもっている人のところに持っていたらしいが(きっちりフィットする穴じゃないといけないからね)。

ピペットマン(中国製)やボルテックス(50ポンドで彼からみたら高かったが、普通に売られている物よりは遥かに安い)などもeBay。遠心機も古い型のやつや、おそらくどこぞのラボから流れて来た物が売られているらしい(w Taqのmixはなんとインビトロジェンからサンプル送ってもらったそうな。しかしライフサイエンス系のものは居住の住所には 送らないとのことで、これもまた父親の会社を使って発注しているらしい(w それを聞いた私は”お前はテロリストかー!”と言ったけれど、この話をしたらスティーブンも同じ反応して笑いました。アガロースは高いから、どうしよう、とか。ちゃんとバイトして、お金は捻出しているそうです(上記お父さんの会社のwebも彼がバイトで作製したらしい)。昨日やっと一カ所の配線ミスに気付いて、PCRマシーンのタッチパネル完成させたとか。

どうりで真剣に私のかなりディープな分子生物学ネタをきちんと聞いくれるわけだ。その日は手みやげに、壊れて誰も使わないミューピッドと、チップの空箱を持たせました。 ちなみに昨日はA-levelの結果が全国的に出てニュースにもなっていましたが、彼は5教科オールAだったそうです。オックスフォードに行くんだって。

africanfrog at 15:56│Comments(0)TrackBack(0)

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